
元々は、「ウサギとアヒルの図形」という、2つの見方が可能な反転図形です。
通常は傾けたりせず、2本の突出したものが「ウサギの耳」にも「アヒルの口ばし」にも見える、といったものです。
それを分かりやすくするために、草むらをつけ、傾けることによって子ども達に図形の不思議さを伝えようと考えました。
《反転図形について》
改めて「ウサギとアヒルの反転図形」についてですが、2匹の動物を交互に見ることは出来ても、同時に認識することができません。つまりある条件によって、2つの見え方が成立してしまう、ということです。
そのことで心理学では、反転図形に関するいろいろな実験が行われ、その傾向や人の見え方についての考察がなされています。
① 伝え方による見え方の違い
・ある実験では、「ウサギとアヒルが見える」や「ウサギを食べようとしているアヒル」といった声掛けをすると、見え方が違ったようです。
② 時期による見え方の傾向
・春にはアヒルに見えたり、秋にはうさぎに見えたりするようです。
このようなことから、次のような考察がなされています。
・「見え方が変われば世界が変わる」ということ。
・私たちに見えている世界の裏には、違う視点で見える世界があり、それは、同じ色や形をしていても人によって見え方が違う、ということ。
・特に人の見え方については、その誤解によって差別や偏見につながることもあり、強い警告を発している研究者もおられます。
例えば、障害を持った方や認知症の方に見えている世界は本人にとって現実そのものであり、介助者から見ると意味が理解できなかったりします。
この時、反転図形の認識と同じようなことが起こっているといえます。
人、特に立場的に弱い方に対して、「偏った見方をしていないか」と、常に問い直す姿勢が大切と言えるのではないでしょうか。(僕も)

